個人輸入の化粧品にかかる関税や消費税はいくら?かからない方法は?
化粧品の個人輸入にかかる関税や消費税がいくらなのか、かからないようにする方法はあるか、輸入可能な量や個人輸入における注意点などを詳しく説明いたします。
海外サイトから化粧品を購入する場合だけでなく、楽天等の日本の通販サイトで海外ブランドのコスメを購入する際、「個人輸入に該当するため、輸入消費税や関税がかかる場合があります」と記載されていた場合の参考にもしていただけます。
個人輸入とは?
個人輸入とは、自分で使うことを目的として輸入することです。
「自己使用」のために、一定範囲内で税金が免除されるという優遇措置が取られているため、万一それ以外の目的に使用した場合(売る・譲るなど)には、ルール違反となります。
個人輸入で化粧品にかかる関税と輸入消費税はいくら?
個人輸入における化粧品の関税と輸入消費税の規定は異なるため、輸入可能な量の範囲と共にそれぞれ把握することが大切です。
エビデンスとなる参照リンクもつけてご説明します。
個人輸入では化粧品に関税はかからない!
自らが使用する前提で規定範囲内であれば、輸入確認証の交付を受けずに、関税なしで輸入できます。
ただし、化粧品の個人輸入可能範囲は「標準サイズで1品目につき24個以内」です。
税関HPより:https://www.customs.go.jp/tetsuzuki/c-answer/imtsukan/1204_jr.htm
個人輸入可能な化粧品の量は?
個人輸入が許可されている範囲も規定されており、標準サイズと少量の製品で数量が異なるため、詳しく見ていきます。
個人輸入可能な範囲内に規定されている「標準サイズ」とは?
標準サイズとは、一般家庭で使用する目的で市販されているサイズのことで、ドラム缶等の業務用サイズのものを除く製品を指します。
「1品目につき24個以内のもの」の「品目」とは、類別(頭髪用化粧品類、洗髪用化粧品類、化粧水類など)ではなく、品目(シャンプー、リンス、トリートメントなど)を指します。
少量の製品での個人輸入可能範囲は?
少量の製品とは、内容量が60gまたは60ml以下の製品を指します。
「1品目につき120個以内のもの」と規定されており、1回分の個包装も1個にカウントされます。
ただし、ファンデーション類、白粉打粉類、口紅類、眉目頬化粧品類、爪化粧品類、香水類は除きます。
標準サイズと少量の製品を一緒に個人輸入する場合の許容範囲は?
標準サイズと少量の製品が混在した状態で輸入する場合のカウントの仕方も決められています。
標準サイズの製品24個を基準とし、輸入予定の標準サイズ製品の個数を24から差し引き、少量の製品×5以内を輸入確認証(旧:薬監証明)なしで輸入可能としています。
例)標準サイズの一般化粧水10個を輸入する場合、少量の一般化粧水は70個(24-10×5)まで輸入できる。
輸入確認証とは
輸入確認証とは、輸入する貨物が販売等を目的としていないことの確認を受けた証明書のことです。
当該輸入が販売等を目的としていないことの確認を受けた証明書
引用元:税関HP 1806 医薬品・化粧品等の個人輸入について(カスタムスアンサー)
個人輸入の化粧品にかかる輸入消費税はいくら?
個人輸入の化粧品には合計額が1万円以下であれば関税も輸入消費税はかかりません。
それを越す場合には、「海外小売価格×0.6」の金額に10%かかります。
これに加えて通関手数料200円も徴収されます。
課税価格の合計額が1万円以下の物品の輸入については、その関税及び消費税が免税されます。
引用元:税関HP 1006 課税価格の合計額が1万円以下の物品の免税適用について(カスタムスアンサー)
個人の方がご自身の個人的使用の目的で輸入する貨物の課税価格は、海外小売価格に0.6を掛けた金額となります。
引用元:税関HP 少額輸入貨物の簡易税率
関税無税品は、課税価格に対して消費税及び地方消費税(合計で10%(軽減税率が適用される品物については、合計で8%))のみが課税されます。
引用元:税関HP 税額の計算方法
個人輸入なのに販売したらバレる?どうなる?
引用元:税関HP 関税法の罰条
前述の通り、個人輸入は自分で使うものであるために関税や消費税を免除されているため、ほかの人に譲ったり販売したりした場合には罪に問われます。
各ブランドが販売サイトをパトロールしていたり、税関から事後審査されたりすることもあるので、バレることはないと高を括っていると痛い目に遭うので、きちんとルールは守りましょう!
まとめ
化粧品を個人輸入する場合には、自分が使用する目的で規定範囲内であることを前提とし、
- 関税はかからない
- 1万円以内であれば消費税もかからない
- 1万円超える場合は海外小売価格×0.6が課税対象金額となり、×10%+通関手数料の200円
最近ドはまりしている韓国コスメの購入サイトの注意事項にちっさく「「個人輸入」の取り扱いなので、関税・消費税が課税される場合があり、受け取りの際に着払いするように」と書かれていたことに驚き、調べた次第です。
もちろん、通関などは購入店舗が請け負ってくれていますが、急に気楽な買い物からなんだかおおごとのように思えて焦りました。
ネット上にいろんな方が個人輸入における化粧品の関税や消費税について書いてくれていますが、エビデンスがなくて不安だったので、税関と厚生労働省という確実な情報を求めて調べてまとめました。